皮膚疾患の検査・治療切除

この症例はパピヨンの避妊メス、11歳です。少し前より体全体に痒みを示して、夜も眠れていないなどの症状で来院されました。当初、内科治療で体全体の痒みは落着きましたが、尾根部だけは内科治療では良くなりませんでした。下の写真の様に潰瘍が認められます。M1780003

そこで、飼主さんと相談して外科的に同部位を全体的に切除することになりました。目的は病変部の組織を取除くこと、同部位の病理組織診断をすること、培養検査を行うことです。ただし、デメリットもあります。最大のデメリットは、他の体表の部位と異なり尾の皮膚は余裕がないため、切除部位を大きく空けたまま終了することになります。つまり、傷が塞がるまで時間と管理が必要になります。下の写真は、手術終了直後の患部です。

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次の写真が手術17日後の写真です。徐々にですが、傷口が小さくなっているのがわかります。手術17日後

次の動画が手術28日後の状態です。殆ど傷口は塞がっています、瘢痕部の脱毛は認めますが問題ありません。また、当初、患部を気にしている様子もないので治療を終了しました。

次の写真は手術7か月後の状態です。全く分からない状態です。しかし、皮膚をかき分けてみると瘢痕形成部位は確認されます。現時点では、全く痒みもありません。M2130002