こんばんは、谷村です。本日は、猫の胃切開の手術です。文字通り胃を開ける手術です。胃を開けるにはそれなりの理由があるのですが、最近よく目にするのは女性の髪を束ねるゴムを多量に食べてしまう猫です。

何故か分かりませんが、少量ではなく、いつも多量です。猫のお腹を触診している時に、胃の中に独特の硬い異物に触れます。これはすぐに開腹した方がよいなと感じるものです。

他の異物の場合はこの様に胃を触診して気づくことは殆どありません。先日もこの様な独特の胃の触知のためにすぐに開腹したかったのですが、血液検査にて腎臓酵素値の上昇のために1日点滴を行ってから手術をしました。

下の写真は1頭の猫の胃の中にあった多量のヘアバンドです。胃はヘアバンドでパンパンに膨らんだ状態でした。定法通りに胃の血管の走行の少ない場所を必要最低限の長さで切開します。すべて取り出したら胃を閉じます。お腹の中を生理食塩水で良く洗い閉腹して終了です。因みにこの症例は空腸でもヘアバンドが閉塞しており小腸も切開しています。

手術後は2日間入院して退院することになりました。今は元気に過ごしています。他のヘアバンドを食べた症例も似たり寄ったりの量が胃から取り出しました。その後もまた、食べないか?心配になります。

他にも誤飲にはゴム製品や紐などが多く見受けられます。これらの異物は口腔と胃あるいは胃と小腸 あるいは口腔と小腸で繋がっていることも多く、どこで切開するか?も重要なポイントかもしれませんね。

手術後は点滴して飲水から初めて、少量のご飯から徐々に食事の量を増やします。問題がなければ日に日に元気と食欲が出てきます。