上眼瞼の腫瘤

今日は瞼にできた腫瘤のお話です。犬も高齢化が進み、上眼瞼に腫瘤(イボ)があるのをよく見かけるようになりました。ここにイボができると眼球内の結膜は赤く充血して眼脂が多く出るようになりますね。 当然、飼主さんはペットの眼が痛々しく見えるため、眼の上の腫瘤を切除するか?しないか?迷います。 迷う原因は高齢のため全身麻酔ができるか?ということになります。

以前のレポートでも「高齢動物の麻酔」でお話ししたように全身麻酔前に各種検査を行って慎重に判断しますが、絶対に安全な麻酔薬はありませんので、最終的に切除するしない?の判断は飼主さんに委ねられます。

つぎの症例はパグで15歳です。上眼瞼に米粒大の腫瘤を認めます。やはり、眼球結膜は充血して眼脂も多くでます。眼の周囲を触れると特に嫌がる態度を示します。飼主さんも生活の質を考慮して全身麻酔のリスクを承知したうえで依頼をされました。次の動画は切除前の状態です。

次の写真が切除後1週間してからの状態です。眼がはっきりとして輝いているように見えますね。切除後は、充血や不快感から解放されたとのことでした。切除部位に1糸を認めますが、抜糸の必要のない吸収糸を使用しています。傷口の状態を確認して終了となります。