超音波スケーリングと抜歯

歯科処置について

超音波スケーリングは、抜歯処置が必要な全ての犬に行ないます。これにより、歯の表面を覆っている歯石を除去できるからです。また、歯と歯肉の間に存在するプラークも丁寧に除去することができます。一方、抜歯は、歯の根元が化膿してしまう歯根膿瘍あるいは口腔内の腫瘤を切除する時に行ないます。また、スケーリング後に歯を観察して、近いうちに直に抜歯が必要になる場合にも行います。

高齢動物の歯科処置について

また最近ではペットの高齢化が進み、高齢犬における歯科処置も増えています。高齢犬に全身麻酔をかけて大丈夫なの?という質問をよく受けます。安全な全身麻酔はありませんが、検査をして安全に行えるように努めています。次にご紹介する症例は15歳のミニチュアダックスフントです。少し痩せていて、両眼は老齢性の白内障です。症状は臼歯に重度付着した歯石から歯肉炎がおこり、さらに皮膚が壊死して穴が開いてしまっています。 身体検査、レントゲン検査、血液検査と異常がなかったので、処置を行うことになりました。次の動画が処置前の状態です。

この症例は殆どの歯の状態が悪く、残った歯は3本だけでした。次の動画が歯科処置翌日の朝ごはんを食べている動画です。歯の痛みが取れてむしろ食事がすすんでいるようです。この感想は、歯科処置をした飼主さんからもよく耳にする感想です。

 

歯根膿瘍と口腔内の腫瘤について

下の写真は歯根膿瘍にて抜歯が必要な症例の写真です。目の下が赤く炎症を起こしているのが解ります。ここは臼歯の歯根があり、歯根に膿が溜まったため、炎症を起こしています。つまり、この歯を抜いて消毒する必要があります。

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下の写真は、口腔内の腫瘤があるため、抜歯をしてから腫瘤を摘出しました。

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腫瘤を摘出した後の写真です。

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