犬の子宮捻転の手術

子宮捻転を初めて診察しました。手術前は、子宮蓄膿症と同じような検査結果を示します。エコー検査やレントゲン検査、血液検査などの結果は子宮蓄膿症とほぼ同じであることがわかりました。

子宮蓄膿症との違いをあげるならば、症状だと思われます。                    それは、殆ど外陰部からの排膿を示さない点と排膿というよりは血液あるいは血様分泌物を排出する点でした。下の写真は、捻転子宮を腹腔外へ出した写真ですが、子宮の根元より何重にも捻じれているのが解ります。さらに、捻じれた子宮の大部分は、多量の血液凝固塊を容れて暗赤色に腫大していました。症状として少量の血様分泌物を出していたのは、この部分から漏れ出ていたと推察されました。

M1440003

下の写真は手術直後です。この症例は、捻転子宮より腹膜炎を併発していたにもかかわらず、予測に反して術後の覚醒などはスムーズでした。この点も子宮蓄膿症との相違点かもしれません。

M1450009

手術3日目に退院しましたが、食欲と元気は徐々に回復しました。