猫の避妊手術

猫の避妊手術は、雌猫の左右の卵巣と子宮を切除する手術です。望まない妊娠を防止することや発情に伴う鳴声などの煩わしさあるいは卵巣や子宮の病気を予防する、あるいは乳腺腫瘍の発生率を下げる目的で行われています。 また、猫が発情している時は、子宮が太くなり、血管も拡張しています。そのため、避妊手術を行う際には安全上の理由で発情期を避けて予約を入れて頂くと良いでしょう。

術前検査について

手術前には身体検査は必ず行いますが、血液検査やレントゲン検査、エコー検査や尿検査は症例ごとの性格と飼主の希望、身体検査結果などより総合的に判断して決めています。やはり、見知らない場所や人に接することで怖がりパニックになる猫も少なくありません。しかし、これら術前検査はより安全に全身麻酔を実施するうえで必要なことですので、実施できるならば行った方が良い事は言うまでもありません。出来るならば術前検査を実施することをお勧めします。

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手術は開腹して、卵巣と子宮を切除して、閉腹します。当院では、手術当日は入院になり、翌日退院です。ご自宅では、帰宅後エリザベスカラーの着用と内服薬の投薬を行います。

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1週間後に抜糸となります。下の写真は抜糸直前の写真です。

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下の写真は抜糸終了時です。抜糸終了時にエリザベスカラーを外すことができます。

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手術は予約制ですので予めお電話下さい。予約時に手術当日の注意事項等をお伝えいたします。

帰宅後のケアについて

最近、手術の際に手術後服やエリザベスカラーを用意して来院される飼主様が多くいらっしゃいます。私どもは手術後に2番目の写真のように顔にエリザベスカラーを付け、お腹には腹帯を巻いた状態で退院して頂いております。その為、事前に飼主様に術後服などを用意して頂く必要はありませんし、このエリザベスカラーと腹帯のセットで問題が起きたことはありませんので心配はありません。

また、退院後は化膿止めの内服薬を1日2回で投薬して頂いております。錠剤や粉薬を用意してますので飼主様と愛猫に合う剤型を選んで投薬して頂くことになります。また、猫においては抗生物質を投薬すると軟便や下痢を誘発することがあります。その場合は、内服薬の投薬を止めて病院にご連絡頂くようお願いします。

当院で抜糸が終わるまで、エリザベスカラーと腹帯は絶対に取らないで下さい。抜糸が終了してエリザベスカラーを外して終了になります。