カテゴリー別アーカイブ: 整形外科

犬の断指術

今回は、指の切断術です。この手術は、指の先がj感染症を起こすなどして骨髄炎に波及したり、あるいは重度の外傷の治療を目的に行われます。また、大型犬などでは、指に腫瘍が発生することが知られていて、この適応となります。

早速、実際の症例を見てみましょう。症例は、10歳メスのセッターです。主訴は、「1か月前に猫を追っかけた際に、指を切った後に化膿して治らない。」とのことでした。患部を診ると、著しく第四指が肥厚して化膿しているのが解ります。 M2620001

患部をレントゲン撮影してみると、基節骨の近位端から末節骨まで確認できず、さらに基節骨の近位端は骨髄炎を起していました。よって指の切断手術をすることになりました。ただし、大型犬のため腫瘍なども考慮して、種子骨や関節包もなるべく取除き、切除した組織を病理組織診断を依頼しました。著しく肥厚した指の切除は、肉球辺縁での縫合になり、皮膚に余裕はありませんでした。

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次が手術翌日の状態です。1日中殆ど足を挙上していました。犬は、体重の7割を前肢で支えて、その負重は主に第3指と第4指にかかることが知られています。。今回は、第4指の切除なので心配な面もありました。

しかし、経過を追うごとに徐々に負重し始めました。 次の動画が抜糸をした術後7日後の歩行状態です。殆ど左右の差がないくらいにしっかり歩行しているのが解ります。

猫の股関節脱臼の手術

今回は、猫の股関節脱臼の手術です。 猫で股関節脱臼のみを発症した症例は個人的には少ないと思います。症例は、アメリカン・カールです。普段は、室内飼育ですが、「どうやら外へ逃出してしまい帰宅後から右後肢を引きずる。」という主訴です。身体検査後に、骨盤をレントゲン撮影しました。下の写真で右の股関節(向かって左)が脱臼しているのが解ります。これ以外の異常は認められませんでした。

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次が手術後のレントゲン写真です。手術は、股関節から大腿骨頭が外れないようする作業です。そのため骨盤内には金属が入っています。この手術方法は犬の股関節脱臼の手術と同じです。犬の股関節脱臼もご参照ください。

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本当は入院して安静にしているのが理想ですが、この症例は、気が強く全く触れることが出来なかったので、すぐに退院になりました。ただし、退院してもケージで過ごして頂くのは変わりません。 次の動画は抜糸をした時の状態です。手術創の大きさなどが参考になれば幸いです。

骨プレート除去手術

骨プレート除去手術は、骨折を整復するため使用したプレートを取除く手術です。骨プレートを取除く目的は色々ありますが、寒い時期には痛みの原因となったり、異物反応やプレートの刺激により炎症を起こす原因となったり、成長過程のペットでは正常な骨の成長を妨げる原因なったりするなどの理由が挙げられます。

下の症例は、イタリアン・グレート・ハウンドの7歳の症例です。1年前に右側橈骨遠位端の骨折整復手術を行い日常を過ごしていましたが、1週間前から骨折部位をしきりに舐めるとの主訴で来院されました。下の写真の様に皮膚は脱毛して、一部で菲薄化して漿液が排出していました。同部位のレントゲン変化を認めませんでした。歩行も問題ありませんでした。M1850001

しかし、骨プレートが刺激となり同部位を気にしていることから、プレートを除去することで症状は治まると考えました。デメリットは、再骨折する可能性もありますので、プレート除去後は安静に過ごすように伝えて手術になりました。次の写真がプレートを除去前後のレントゲン写真です。

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次の写真が、手術2週間後の写真です。抜糸も終了して手術前に認めた皮膚症状がないのが解ります。もちろん、患部を舐めることも無くなりました。

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次の動画が同じく手術2週間後の状態です。この症例は、術後すぐに歩行し始めましたが、一週間後に少し跛行(びっこ)を示しました。その後また、徐々に跛行は順調に歩行しているのがわかります。

犬と猫の膝蓋骨内方脱臼手術

膝蓋骨内方脱臼は、文字通り膝の膝蓋骨が関節から膝の内側へ脱臼してしまった状態です。本来、この膝蓋骨は、上下運動の動きにより膝を動かすことができますが、脱臼状態になると本来の動きは出来ないため、後肢を持上げた状態になります。

この脱臼の状態には進行状態によりグレードがありますが、脱臼が改善されない場合には手術をお勧めします。手術は、関節の溝を削り、筋肉の緊張を緩和するものが基本となります。溝を深くすることで膝蓋骨の脱臼を防ぐことになります。

では、実際の症例をみてみましょう。症例は、8歳のオスのマルチーズです。主訴は「階段など段差のあるところを登らなくなった。」とのことです。身体検査では、左後肢の十字靭帯断裂とグレード4の膝蓋骨内方脱臼です。つまり、膝蓋骨は常に滑車溝から外れている状態です。下の動画は、手術前の状態です。一見、何でもない様にみえますが、自宅では主訴のような症状があります。

手術終了後は3週間程度の入院になります。入院時にはバンテージ交換や鎮痛や感染症対策が重要となります。また、再脱臼なども起こしていないか?確認しています。手術翌日は患肢を挙上した状態ですが、徐々に負重するようになります。下の動画が手術10日頃の動画です。

次の動画が手術およそ1か月後の動画です。非常に順調に回復しています。以前よりも歩行がスムーズになって生活しているとご報告を受けました。治療が終了しました。

猫の骨折整復手術

骨折の時の手術について

猫の骨折は、犬よりも稀ですが、時折認められます。多くは交通事故などの原因が多いのではないでしょうか?骨折部位はプレートとボルトあるいは、ピンにて固定をします。手術後は安静にして骨が癒合するのを待ちます。この時、猫では基本的にはギプスなどで保護しません。

プレート固定手術

次は実際の症例を見てみましょう。骨折の原因は布団の中にいる猫さんを気付かず踏んでしまったことが原因です。来院時には触診にてすぐに骨折しているのが解りました。その時のレントゲン写真です。骨折部位は右大腿骨遠位端で横骨折しているのが解ります。                                 

次の動画は翌日の状態です。やはり元気はありません。患肢を下にしています。

来院から3日目に手術を行いました。下の写真が手術時にプレートとボルトで固定している時の写真です。下に3つボルトを入れる必要があったので、膝の関節包も切開してあります。比較的スムーズに手術は終わりました。

次の動画が手術終了1時間後の動画です。やはりぐったりしていますね。でも、これはぐったりしているのではなく、落着いている状態です。鎮痛薬の効果がしっかり出ていると思われます。

次の動画が手術翌日の動画です。ご飯を出すと勢いよく食べ始めました。そして、手術した右後足も地面につけ始めていますね。先ほどの動画に比べてすごく元気が出ていることがわかります。個人的にはもう少し大人しくしていてほしいのですが・・・。退院がはやくなりそうですね。1週間もすると抜糸をしますので、しばしお待ちください。

手術後5日目に本日抜糸をしました。非常に元気にしております。

早いもので手術後1週間が経過しました。順調に過ごしております。

 

 

 

成長板骨折のためピンで固定したレントゲン写真

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手術後の様子

骨折手術から半年後の写真です。固定していたピンは既に役割を終えて、少し移動しいるのが解ります。何かの折に痛みが出る可能性があるので、次回にピンを抜く予定となりました。

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動画の写真の子が生後1年となり、使用していたピンを抜き、抜糸した時の写真です。こんなに立派になりました。M1750001

 

 

十字靭帯断裂整復手術

犬の十字靭帯は、大腿骨の遠位端と下腿骨の近位端をつないでいる靭帯です。この靭帯の断裂は、膝に過度の緊張や負担がかかったりした場合に突然発症するケースが殆んどです。当然、靭帯が断裂すると膝関節が緩み、不安定な状態になります。 私の経験では、犬の犬種や体格には関係ない様に思われますが、比較的小型犬での発症を目にします。次の症例もシーズーの8歳の男の子です。やはり、跛行を示すことで来院しました。下の動画では、左後肢に負重できずに歩行していることが解ります。

身体検査とレントゲン検査にて十字靭帯断裂の診断がつけられ、手術になります。手術は、不安定な膝関節を安定するように行います。次の動画は手術1週間後の歩行状態です。随分と安定して歩行していますね。手術した左後肢にはバンテージ固定しています。時間が経つにつれより安定した歩行になります。

 

 

次の症例も雄のマルチーズです。十字靭帯が切れることで、後肢は不安定になり跛行を示すことになります。下の動画は、手術前の歩行状態で、右後肢がぎこちない歩行になっているのが解ります。こ

次の写真が手術翌日の写真です。少し痛々しいですが、痛みがなくなってくると手術前と異なりしっかりと負重します。2週間後の退院となります。

HP 前十字靭帯断裂 写真

猫の後肢断脚手術

猫の後肢断脚手術は様々なケースで適応となると考えられます。 犬と異なり、悪性腫瘍が足に発生することは少ないと思われますが、その様な時に行なわれます。

当院の猫は,大腿骨の遠位端より化膿して腐っていたため、断脚手術の治療を選びました。この動画の様に後肢断脚手術後も活動性においては影響があまりないのが解ります。ちなみに断脚後7年が経過しています。

犬の前肢断脚手術

犬の断脚手術は足に悪性腫瘍が発生した際に原発巣を除去することで転移を予防する、あるいは生活の質を高める目的で行います。

犬では、大型犬に発生する骨肉腫を切除する目的で断脚手術することが知られています。下の写真は、右前肢橈骨に発生した骨肉腫のために断脚したラブラドルレトリバーです。

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手術後に抗癌治療を行い、手術1年後まで生活することができました。

 

犬の骨折手術

犬の骨折は、小型犬を踏んでしまった、あるいは抱っこして落下してしまったなどの原因が殆んどです。

基本的に必要な検査は身体検査とレントゲン検査です。下の写真は手術前の写真です。右側の手首のところが、折れているのが解ります。この症例も落下が原因でした。

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次の写真は、手術後の写真です。プレートにて固定されています。この症例は小型犬で手首の骨が小さく、骨折部位が遠位端であったのでプレートを作成してあります。

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この様に骨折の手術はプレートなどを中心として骨を固定して、骨がしっかりくっつくのを待つ治療になります。当院では3週間の入院になります。入院中は安静に過ごし、基本的にはバンテージ交換や投薬などを行います。入院中の様子を撮った動画です。

下の動画が、術後38日目の様子です。すっかりギプスを外しても問題なく足を負重しているのが解ります。まだ、足を浮かしているのが解りますが、徐々に足の接地時間は長くなります。

犬の股関節脱臼

犬の股関節脱臼は、交通事故などの外的圧力により脱臼することが多いのですが、最近では、ただじゃれていて、あるいは抱っこして落としてといった原因が多くなってきました。後者の場合は、多くが小型犬種です。当院では、特にトイプードルや柴犬で多いように見られます。脱臼した犬は、痛がり後足を挙げたままの状態となり、病院に来院されます。当院での治療は手術になります。手術では股関節が再脱臼しないように固定します。

下の写真は手術前の写真です。右側の大腿骨の骨頭と骨盤側の寛骨臼に注目すると(写真左側)、股関節が外れているのが解ります。

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次の写真が手術をして股関節が外れないように固定した手術後の写真です。

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下の動画は手術3週間後の歩行状態です。