骨折の時の手術について
猫の骨折は、犬よりも稀ですが、時折認められます。多くは交通事故などの原因が多いのではないでしょうか?骨折部位はプレートとボルトあるいは、ピンにて固定をします。手術後は安静にして骨が癒合するのを待ちます。この時、猫では基本的にはギプスなどで保護しません。
プレート固定手術
橈尺骨骨折(前肢)
橈尺骨、つまり橈骨と尺骨は肘関節(肘)から手根関節(手首)を繋いでいる2本の骨です。小型犬では骨折の多い箇所ですが、猫ではあまり認められません。ある程度の高さなら落下しても、柔軟性のある猫ならばあまり骨折するイメージが湧きませんね。今回の症例は、どうやら腕が挟まってしまい、骨折してしまったようです。次の写真が手術前の写真です。

手術は翌日に行いました。それまでは自宅で安静に過ごすように伝えましたが、猫さんにどこまで伝わっているか?は不明です。次の写真が手術後の写真です。骨折端より遠位に4本のボルトを、近位に5本のボルトを設置しました。


猫は術後に外固定をしていません。外固定をすると暴れてしまうからです。この症例も外固定をしたら、外固定が外れるまで気にしていたようです。そのため、術後は切開部位にガーゼを巻くだけにしておきました。術後3日間は循環障害を起こし、肢端は腫れていましたが、その後は消失していました。術後1週間後には抜糸をしました。その際の動画です。
次の動画が術後10日目の状態です。まだ心もとないですが、徐々に負重するようになっているのが解ります。
大腿骨骨折(後肢)
次は実際の症例を見てみましょう。骨折の原因は布団の中にいる猫さんを気付かず踏んでしまったことが原因です。来院時には触診にてすぐに骨折しているのが解りました。その時のレントゲン写真です。骨折部位は右大腿骨遠位端で横骨折しているのが解ります。 
次の動画は翌日の状態です。やはり元気はありません。患肢を下にしています。
来院から3日目に手術を行いました。下の写真が手術時にプレートとボルトで固定している時の写真です。下に3つボルトを入れる必要があったので、膝の関節包も切開してあります。比較的スムーズに手術は終わりました。



次の動画が手術終了1時間後の動画です。やはりぐったりしていますね。でも、これはぐったりしているのではなく、落着いている状態です。鎮痛薬の効果がしっかり出ていると思われます。
次の動画が手術翌日の動画です。ご飯を出すと勢いよく食べ始めました。そして、手術した右後足も地面につけ始めていますね。先ほどの動画に比べてすごく元気が出ていることがわかります。個人的にはもう少し大人しくしていてほしいのですが・・・。退院がはやくなりそうですね。1週間もすると抜糸をしますので、しばしお待ちください。
手術後5日目に本日抜糸をしました。非常に元気にしております。
早いもので手術後1週間が経過しました。順調に過ごしております。
下腿骨骨折(後肢)
今回の症例は、興奮して手すりから落下したことが原因で下腿骨を骨折してしまいました。骨折時の写真です。
下腿骨は、その内側面は豊富な筋肉で覆われていないため、骨折部位を把握しやすい特徴があります。また、手術では内側よりアプローチして写真の様に内側面にプレートを固定します。
次の動画は手術2日後の状態です。すでに後肢を着地しています。食欲も出てきて元気に過ごしていることがわかります。早く退院できるといいですね。
手術6日目に抜糸しました。傷口に問題はなく、エリザベスカラーを外しました。
成長板骨折のためピンで固定したレントゲン写真
手術後の様子
骨折手術から半年後の写真です。固定していたピンは既に役割を終えて、少し移動しいるのが解ります。何かの折に痛みが出る可能性があるので、次回にピンを抜く予定となりました。
動画の写真の子が生後1年となり、使用していたピンを抜き、抜糸した時の写真です。こんなに立派になりました。

