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犬の骨折手術

犬の骨折は、小型犬を踏んでしまった、あるいは抱っこして落下してしまったなどの原因が殆んどです。
基本的に必要な検査は身体検査とレントゲン検査です。下の写真は手術前の写真です。右側の手首のところが、折れているのが解ります。この症例も落下が原因でした。

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次の写真は、手術後の写真です。プレートにて固定されています。この症例は小型犬で手首の骨が小さく、骨折部位が遠位端であったのでプレートを作成してあります。

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この様に骨折の手術はプレートなどを中心として骨を固定して、骨がしっかりくっつくのを待つ治療になります。当院では3週間の入院になります。入院中は安静に過ごし、基本的にはバンテージ交換や投薬などを行います。入院中の様子を撮った動画です。

下の動画が、術後38日目の様子です。すっかりギプスを外しても問題なく足を負重しているのが解ります。まだ、足を浮かしているのが解りますが、徐々に足の接地時間は長くなります。

退院までの日数について

次の症例は、生後4ヵ月の子犬です。この症例は「暴れていたら骨折してしまった。」との主訴で来院されました。定法通りにプレートとボルトで整復しました。つぎの動画は手術後9日目の状態です。遊びたい盛りですね。

先ほどの症例に比べて、体がしっかりしていませんのでエリザベスカラーやステンレスのギプスも装着していません。一般的に退院するまで3週間前後となります。

後肢の骨折

後足の大腿骨遠位端の骨折です。次の症例は自転車に衝突された後から急に左後肢を持上げる様になったとの主訴で来院されました。触診すると明らかに大腿骨遠位端がグラグラとしていました。レントゲン撮影をすると、大腿骨遠位端において関節内で骨折しているように見えました。(レントゲン写真は準備中)次の症例の様に手術前にプレートを数枚用意しましたが、実際に骨折部を確認すると骨折部から遠位部(膝関節)が短く不安定のため、プレート固定を断念しました。結局、ワイヤーを骨折部に3本入れて何とか骨折部の安定が得られました。(写真は準備中)次の写真は術後8日目に抜糸をした際の写真です。

無事に抜糸も終わりました。抱っこをしていると大人しいのですが。次の動画は術後9日目の状態です。抜糸まではエリザベスカラーは装着しませんでしたが、その後はバンテージを外すようになったので、エリザベスカラーを装着しています。

次の動画が術後16日目の状態です。ケージ内で過ごすことで自然とリハビリになっています。

次の症例も抱っこをしていたが、落下したことが原因で骨折した症例です。骨折部位は右後肢・大腿骨遠位端です。この骨折部位は膝関節を開ける必要があることと、大腿骨の大きさや形状に合わせる必要があります。手術前の写真と骨プレートで整復した手術後の写真を載せます。

手術5日目の術創です。

次の動画は手術7日目の状態です。患肢は包帯で補助されています。しっかり足を着けていますね。前肢と異なり後肢は前の症例の様にギプスなどで固定することは殆どありません。包帯はしばらく付けたままですが、早く退院できると良いですね。

犬の股関節脱臼

犬の股関節脱臼は、交通事故などの外的圧力により脱臼することが多いのですが、最近では、ただじゃれていて、あるいは抱っこして落としてといった原因が多くなってきました。後者の場合は、多くが小型犬種です。当院では、特にトイプードルや柴犬で多いように見られます。脱臼した犬は、痛がり後足を挙げたままの状態となり、病院に来院されます。当院での治療は手術になります。手術では股関節が再脱臼しないように固定します。

下の写真は手術前の写真です。右側の大腿骨の骨頭と骨盤側の寛骨臼に注目すると(写真左側)、股関節が外れているのが解ります。

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次の写真が手術をして股関節が外れないように固定した手術後の写真です。

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下の動画は手術3週間後の歩行状態です。